Blue Sun in the day of summer

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    「迷惑、だった……?」   流石にもう少し考えろっての、と思いながら大きく溜め息を吐くと、葵は少し悲しそうな声でそう呟く。  ……絶対、わざとだ。でも分かっているとはいえ、迷惑だなんて言えないのが、俺のヘタレなところなんだろうなぁ……     「べ、別に迷惑って訳じゃねーけど……」   「じゃあ、はい!」   そう返すと、今度は嬉しそうな声が聞こえてきて、早く渡してと言わんばかりに手を突き出してきた。思った通りすぎる。  半ば諦めてスポンジを渡すと、「痛かったら言ってね!」と言って葵は背中を擦り始める。     「銀くん、気持ちいい?」   「お、おう」   気持ち良い、とは思うんだけど、そんな事より(右手に力を入れるためか知らないが)背中に添えられている左手をどうも意識してしまう。  右手が上から下へ行けば、左手も同じように背中を這う。くすぐったいというか、触れられてるところが凄く熱く感じるというか……何にせよ、早く終わって欲しいってのが本音だ……  
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