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「あー、美穂またあの男の子みてるー。ちゃんと私の話し聞いてるの?」
派手なピンク色のベンチ。
このベンチ、元々は色褪せたブルーなベンチだったのだが、奇才変人の朗人によってピンク色に塗り替えられた。
本人曰く、悪気はなかったらしい。
ともあれ2人の女の子が、そのベンチに腰を落ち着かせてじゃれあっていた。
どちらも可憐な容姿の持ち主だ。片一方の女の子は、頭一つ抜きでているが。
「えーそんなことないよっ、ちゃんと聞いてたよ?」
彼女が何を考えているのかは、全く分からない。その可憐な笑顔を相方に振りまくばかりだ。
…自分でも気がつかなかった、無意識に彼を眺めていた。
下手すれば滑稽とも言える屁理屈。性格のネジ曲がり方は、螺旋のよう。
そんな彼を眺めていた。
彼女にとっては、それはごくごく自然なことで
彼にとっては身に覚えがない。
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