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しかし、どうやって『記憶』を探せばいいのやら…。
僕は無責任なことを言ってしまったと今さらながら後悔した。
幽霊の嬉しそうな顔を見るともう断れない。
僕は途方にくれていた。
するといきなり屋上のドアが開いた。
「亮太!」
圭介だった。
僕はびっくりして何も言えなかった。
(まさか…何で圭介が?)
そう思っていると圭介はそれを察したのか続けて言った。
「今日のお前は変だったからな…屋上に来てからのお前は特にだ。授業中もずっと屋上の方を見上げていたし…用事なんて本当はないんだろ?何で嘘ついてここにいるんだよ」
圭介の声は最後に弱々しくなった。
裏切られたと思っているのだろう。
「ごめん…言おうとは思っていたんだけど…言い出せなくて」
「何でだよ?昼休み屋上で何があったんだ?まさか幽霊を見たってわけじゃあるまいし…」
幽霊を見たってわけじゃあるまいし…?
やはり圭介には幽霊が見えていない!?
僕はとっさに言った。
「ここにいる!」
「は?」
圭介はきょとんとしていた。
「幽霊は…ここにいるんだ!」
僕は幽霊のいる方向を指差して言った。
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