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「記憶…?それはどういう…」
キンコーン…。
昼休みの終わりを告げる鐘が鳴った。
「亮太!行くぞ!」
圭介に急かされる。
「え…あぁ…」
幽霊が悲しそうな目をしながら僕を見つめていた。
しかし、圭介はもう屋上にはいなかった。
僕は慌てて屋上を後にした。
階段を降りて行くと圭介がいた。
「圭介…!待って…」
「早くしないと五時間目始まるぞ。というかさっきの独り言か?」
「え?あぁ…独り言かも」
曖昧な返事しかできなかった。
圭介は不審な目で僕を見てたが、僕は教室に入ると自分の席へと逃げるように向かった。
圭介には幽霊が見えていなかった。
(…圭介には後で幽霊のことを言おう)
そう思っていた。
席に座っても心臓の鼓動が早い。
屋上から急いで来たからか、幽霊に会ったからか…。
(あの幽霊…なんか不思議だったな。それにしても、記憶を探しているって…?)
授業が始まったが僕は集中できずに、ずっと幽霊のことを考えていた。
(放課後、もう一度屋上へ行ってみよう…)
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