第1章

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「記憶…?それはどういう…」 キンコーン…。 昼休みの終わりを告げる鐘が鳴った。 「亮太!行くぞ!」 圭介に急かされる。 「え…あぁ…」 幽霊が悲しそうな目をしながら僕を見つめていた。 しかし、圭介はもう屋上にはいなかった。 僕は慌てて屋上を後にした。 階段を降りて行くと圭介がいた。 「圭介…!待って…」 「早くしないと五時間目始まるぞ。というかさっきの独り言か?」 「え?あぁ…独り言かも」 曖昧な返事しかできなかった。 圭介は不審な目で僕を見てたが、僕は教室に入ると自分の席へと逃げるように向かった。 圭介には幽霊が見えていなかった。 (…圭介には後で幽霊のことを言おう) そう思っていた。 席に座っても心臓の鼓動が早い。 屋上から急いで来たからか、幽霊に会ったからか…。 (あの幽霊…なんか不思議だったな。それにしても、記憶を探しているって…?) 授業が始まったが僕は集中できずに、ずっと幽霊のことを考えていた。 (放課後、もう一度屋上へ行ってみよう…)
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