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『愛情』
嵐くんはお休み。
久々に静かな学校生活ができる、と目論んでいた俺は、少々面食らった。
「なぁ、今日合コン行かね?九条いないしさぁ」
「涼くん、君って奴は…」
どうして邪魔すんのよ、ねぇ?
あ、でも女の子には会いたいな。
「行ってもいいかな…とは思う」
「そうこなくっちゃ!よかったー、お前まで九条みたくゲイになったとか思ったし」
「ないない」
右手をパタパタと振って否定の言葉を言うと、涼くんがニンマリとほくそ笑んだ。
わー、嫌な感じ。
カラオケボックスで女の子三人と対峙。
俺の学校は男子校だから、きらびやかに見えてしまう。
「初めましてっ。えっと、カヨですぅ」
「どもっ。サチエっす」
「マリカでぇす!彼氏募集中ぅ~」
…なんとゆーか、ギャハハと下品に笑う彼女達には好印象は持てないな。
サチエちゃん、スポーツやってそうで、一人だけ凛としていてカッコいい。
「イインチョやってる須藤和久でぇす!」
「え?何、カズったらフルネーム?やだわぁ!っと、オレっちは涼ーよ。リョォ」
「どうも。須藤くんと涼くんのクラスメイトです」
「おまっ、暗いからぁ!ねぇ?カヨちゃん、サチエちゃん、マリカちゃん、ねぇ?」
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