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『カーテン』
「次、体育だっけか?」
「そォだよ。あれ、嵐くんて体育大好き人間だったじゃん」
一校時の休み時間、ずっと寝ていた嵐くんが首をかしげた。
「そォだっけ…」
そう言って怪訝そうな顔をする嵐くんは、朝、学校にきてからずっと、死んだように寝ていた。
目の下には隈があって、首元にはキスマーク。
……。
…激しかったんだろーか。
「ほら、ジャージに着替えて。遅刻するよ」
「ふぁい」
バッとワイシャツを脱いだ嵐くんの身体を見てビックリした。
キスマークはいつも通りだけれど、たくさんの痣。
「嵐くん、それ…」
「え…。…あはっ!最近めっきり寒くなったじゃん?布団の中に物引き込んで生活してるからっ」
嘘だ。
一瞬しまった!って顔をしたくせに。
慌てて身体を隠そうとした嵐くんをカーテンの裏に引っ張り込んだ。
俺、いつもここで着替えてるから。
それに、嵐くんはゲイだから、周りの男子達から奇異な目で見られるんだけど、綺麗な肌をしているから、興味本意なやつらがじろじろと見ているから。
「何、いきなり」
いつもの人を誘うような顔でなくて、男っぽい顔をして、嵐くんは問い掛けてくる。
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