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『朝日』
高一の11月。
それは行われ…ている。
「空気チョーうめぇ!」
二泊三日の山林への宿泊学習。
一日目、何事もなく過ぎ、只今二日目の過程をこなしているのであります。
「嵐くん。あまりはしゃぎ過ぎないでね。刺すよ?」
「や、やめろっ、痛いって!」
地面に落ちてた針葉樹の葉で、嵐くんをつつく。
あー、痛そうだね。
「お返しー!」
「わひゃーぁ!」
猫じゃらし攻撃か。
やられた!
今はペア行動でオリエンテーションをこなしている。
俺はもちろん嵐くんとだけれど、地図を頼りにゴールにたどり着けとか、無理。
俺も嵐くんも、方向音痴だから。
「ね、そろそろ石段あってもいい頃なんだけどさ、お前知らね?」
「地図持ってんの嵐くんじゃん。つーか石段?なにそれ?コースアウトしてんじゃね、俺ら」
わぉ。
ヤバー。マジやばーい。
なんて、焦っててもしょうがないので、山道を下る。
どこかの道に出るといいけど。
「むー…」
なんか不安そうな嵐くん。
やめて、俺まで不安になってくるから。
…しょうがないな。
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