第2章 ‡ 君知

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「何泣いてるの。」 「……え?」 気がつくと、神流の目には涙でいっぱいになっていた。 「昨日といい……何。」 「…ご…ごめんなさい………。 私の大好きだったひとが……あなたにそっくりだから。」 しいん、と時は流れた。 「その人、強いの?」 「え?」 空を見ていた雲雀は 急に神流の方を向いた。 「…ちゅ…………中国では一番だょ…。」 それを聞いた雲雀は ニッ、と笑った。 「わぉ、戦ってみたいな。」 「…………。」 私は固まってしまった。 雲雀さんの意外さからか…… 風の死を受け入れられてない私は…言葉に出来ないからか…。 私には分からなかった。 「それは…………無理かな。」 「……。」 答えは今でも分からない。 「もう彼は………… いないから……。」 風の死を受け入れてない私だと思ってたのに。 彼に話していたから。
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