無双高原リゾート 秋景色

3/9
前へ
/23ページ
次へ
「 館長さん、趙雲さんが、お茶にしませんかって 」 瑠璃は、マスターから受け取ったお盆を、男の人の側のテーブルに置く。   その音と、瑠璃の声に、 「 館長さん 」 と呼ばれた男の人が振り返った。 男は、手に持っていた絵筆とパレットを椅子の上に置き、ポケットから取り出した、蝶の模様のハンカチで軽く手を拭う。 テーブルの上のお盆を見ると、顔を綻ばせ 「 ローズティですか。いい香りだ。瑠璃ちゃん、趙雲さん、いつもありがとう 」 と、言った。   「 いえ…。お客様の好みを覚えて置くのも、大切な仕事ですから 」 瑠璃は少し照れつつ話す。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加