無双高原リゾート 秋景色

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「 で、劉備様は大丈夫なんですか?今頃、諸葛マネージャーさんや関総料理長さんが探しているんじゃあ… 」 困ったような顔になる趙雲に、劉備はコーヒーを一口すすると 「 保育園に行きたくないと、永がぐずって。私や尚香の服を掴んで離さなかったんだ。公嗣 ( こうし。劉禅の字 ( あざな ) ) に頼もうにも、必修の講義が朝一であるとかで、早々と大学に出かけてしまったし、尚香はお客様のお見送りの時間で、永の相手は出来ないし…。で、孔明に午前中だけと断って…な 」 と、話した。     そんな劉備の心を知ってか知らずか。 オレンジジュースを飲んだ永は、トコトコとそこらへんを歩き回っていたが…。 やがて、何を見つけたのか、張こう が描いていたキャンバスの前に座り込んだ。 床の上を、しきりに触っては何かを拾い、握っては離して遊んでいる。   「 永くん、どうしたの? 」 瑠璃が永に近づくと、永は嬉しそうな笑顔で 「 りゅりねー。こえ 」 と、握っていた物を差し出した。 「 これ… 」 瑠璃の手に渡された物。 それは、 銀杏の葉 だった。 銀杏の葉は、完全に黄色く色づいてはおらず、半分ばかり黄緑色が残っている。 オープンテラスの側には、銀杏の木が五本ばかり植わっているので、多分、そこから飛んで来たのだろう。 永は、その銀杏の葉を拾っては落として遊んでいるのだった。   「 劉備様、趙雲さん、これ 」 瑠璃は銀杏の葉を見せる。 「 もう黄葉した葉があるんですね 」 「 おそらく、あの一番西の端の木だろう。あの木一本だけは雌の木で。毎年、あの木だけが早く色づくからね 」 「 瑠璃ちゃん、これからテラスの落ち葉掃除が大変だろうけれど、頼むよ 」   そんな事を言っていると   「 あー!!!∑( ̄口 ̄) 」   張こう が、突然、大声を張り上げたのだ。
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