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「 こんにちは。義兄上 」
泣いている永を抱き上げて宥めながら、劉備が孫策に挨拶をする。
「 義兄上は止めろって言っただろう?玄徳さん。確かに俺はあんたの義理の兄かも知れないけどさ、あんたの方が年上なんだからよぅ 」
孫策が笑いながら言うと、劉備も笑いながら
「 そうでしたね。孫策さん 」
と、言った。
そのやり取りを見て、不思議マークを飛ばしているのは瑠璃。
「 瑠璃ちゃん? 」
「 劉備様、孫策さんに今、義兄上って … 」
「 ああ、その事か。劉備様の奥さんの尚香さん…永くんのお母さんは、孫策さんの妹なんだ 」
「 へ? そうだったんだ。でも、公嗣くんは… 」
「 公嗣くんは、劉備様と最初の奥さんとの間に生まれた子供なんだ。最初の奥さんは、公嗣くんが小学一年生の時に、病気で… 」
瑠璃と趙雲がそんな事を話している間に、孫策は、永が泣いている事に気がついた。
「 永、なんで泣いているんだずぇ 」
劉備に抱かれている永の頭を、孫策は優しく撫でながら尋ねる。
「 しゃくおじたん…とうたま…ぼく…悪くないもん 」
涙目で語る永を見た孫策の目が、キッ と、周りを睨む。
永の話しからすると、父親の劉備が永を泣かしていない事は明らかだし、瑠璃は泣かすよりも泣かされるタイプだ。
また、趙雲は大の子供好きで、永を泣かせるとは考えられない。
残ったのは…
「張こう、大切な甥っ子を泣かせたのはお前か!」
孫策がブリサードバリバリの目で、張こう を睨みつけた。
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