ある、無双高原リゾートの1日

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5:00 温泉旅館 『緑風閣』   「おはようございます。関 総料理長!」 「うむ。みんなおはよう。今日も頑張ってくれ」   緑風閣の厨房に、元気な声が響く。 料理人達の挨拶を受けた関羽は、笑顔で頷いた。   関羽は、緑風閣 とリゾートホテル グリーン・ウィンドウの総料理長を兼ねている。 しかし、毎朝関羽が直接味見をしたり、料理人達に指示を与えたりするのは、和食の朝食を提供する緑風閣の方だけだ。   グリーン・ウィンドウの方は、朝食がブッフェスタイル…いわゆるバイキング形式の為、大まかなメニューは決まっている。 それに、関羽の一番弟子とも言える周倉が、グリーン・ウィンドウの料理長として朝食の支度を取り仕切ってくれているので、関羽は毎朝必ず一度はレストランの厨房に顔を出すものの、余程の事がない限り、指示を与える事はないのだ。   「総料理長、味噌汁の味見をお願いします」 「竜胆の間のお客様は、6時に朝食の予定だが…」 「後、キノコと山菜のおひたしを盛り付けるだけです」 「躑躅の間のお客様は、卵アレルギーだから…」   様々な声が飛び交う、毎朝の一時。
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