終の棲みか

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「真子先生、ここ見て下さい」 「僕のも見て!」 ひとりが手を上げるとあちこちで、真子先生と声があがった。 「はいはい、順番に見るから待ってて」 教室の中は元気な子供達の声に溢れていた。 真子は村で子供達を集めて、英語をボランティアで教えていた。 「はい、ママ集めたよ」 「ありがとう~心優」 心優は、子供達が仕上げたプリントを集めて真子のところへ持って来た。 心優は五歳になり、車椅子でしか動けない真子の、細々とした手伝いをいつの間にかしていた。 そして、孝太郎も以前と変わらず、農作業をしながら創作活動を続けていて、今年は日展に出品する大作を手掛けていた。
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