最後のメッセージ

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「駄目よ…駿は死んではだめ!。駿は生きていかなきゃ駄目!。 私も、生きる!もう死を考えたりしない」 奈央はそう言って立ち上がると、空に向かって両手を広げ、太陽の命を全身で浴びるように目を閉じ叫んだ。 「私に生きる力を下さい!。もう少し生きていいですよね」 奈央はもう先の事は考えまいと思った。 今この瞬間だけを、1日、1日を思いを残さないように過ごしていこうと思った。 その時間が短くても長くても、それが自分の与えられた運命なのだと受け入れようと思った。 奈央は目を閉じて頬を撫でていく柔らかな風と、清んだ空気を胸いっぱいに吸い込むと、ほんの少し泉に近付けたと思った。
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