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奈央は泉の遺志を継いで、愛と翔太を育ててきた。
多感な年頃だった愛は、泉の生き方に強い尊敬の念を持ち、その犠牲的精神を受け継ぐ様に看護師になるべく看護大学に通っている。
その真っ直ぐで清らかな心根は、泉が愛にのり移ったような感じさえする。
翔太はまだ小学生で、サッカーに夢中でサッカー選手になると、グラウンドを駆け回っている。
ふたりとも自分の出生に迷わされる事なく、素直に育ってくれた事に感謝だった。
それは、泉がしっかりとふたりの心に愛の種を蒔いていてくれたからだと思った。
『これでよかったかしら?』
奈央は事ある事に天をみて泉に問うてきた。
「奈央ママ、少し疲れてない?」
愛が奈央の顔色を見て言った。
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