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愛は穏やか顔をしていても、看護師の鋭い目で奈央を観察していた。
「そう?少しバタバタしたからちょっと疲れたのかもね」
「痛いところはない?」
奈央は、最近痛みだした腰の痛みをずっと痛み止めで紛らしていた。
「ううん、大丈夫よ、どこも痛みはないから」
「そう?じゃあいいけど、もし、少しでもおかしいと思ったら直ぐに病院へ行かないと駄目だよ」
愛は、まるで奈央の保護者の様に大人びた口調で言った。
「はいはい、分かってます。ちゃんとしないと愛ちゃんに怒られるものね」
「そうだよ。大切な奈央ママなんだから…」
愛はそう言って、小さくなった奈央の手を握った。
愛の手は温かく、奈央の冷たい手を包んだ。
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