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…遅い。もう1週間は経ったんじゃないか? 俺は目の前のチビに睨みを利かせる。
「ごめんっ、あれから大変だったんだからぁ。床は抜けてるし、ガラスも割れてて。先生たちにもいろいろ言われちゃうし…」
そんな泣きそうな顔をしても許さん。こっちだって、もう2度と召喚されないんじゃないかと、どれだけ泣きそうになったことかっ。
少年がオレを召喚した場所は裏庭ってとこかな。涼しくて、他に誰もいなくてイイ感じだ。
そうそう、名前聞いてなかったんだっけ。少年の顔を覗き込みちょっとアピールしてみる。
「なに? あ、名前でしょ。守護獣呼び出したらまずは名前だよね」
…こいつ、前回といいオレの心が読めるのか?
「キミの名前あれからいろいろ考えたんだけどね…」
いや、オレはお前の名前が知りたいんだけど。ダメだ、心読めてないじゃん。
「あのね、ポチっていうのはどうかな。可愛いでしょ?」
ガーン。色々考えた末それかよ。ていうか、このオレに可愛さを求められても…。そんなアホな名前付けられたら他のヤツらに笑われるってばっ。オレは必死に首を横に振り、抵抗した。
「えー、ダメぇ? じゃあガイアは?」
あっさりと第二候補が現れた。ガイアかぁ。けっこうイイじゃん。
「先生にね、ポチにするっていったら、こっちのほうが似合うと思うよって言われたの」
先生ナイースっ。オレは見たこともない先生とやらに感謝しながら首を思いっきり縦に振った。
「気にいった? 良かったぁ。じゃ、これからヨロシクね、ガっちゃんっ」
待て、なんか今呼び名が変じゃなかったか!? 必死で抗議をするも、「今日の授業でイーマ君の守護獣が…」ってそんな話はイイんだよっ。
散々語り散らしたあげく、去り際に「あ、ボクの名前はラクトだから」と軽く言われた。
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