ハジマリ

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放課後。 珠沙は「中学2年生にもなって、いのこりごくろう様です♪」とオレに敬礼をし、さっさと教室を後にした。 オレは窓から顔を出し、雲ひとつない青い空を見上げる。 「夕方までに終わるといいなぁ・・・」そんなことを思いつつ、ふと下を見ると珠沙が両手を振りながら「ばいばーい♪」と言っている。 オレは適当に手を振りかえすと、職員室に向かった。 職員室に向かう途中、「部活に行こうぜ!」とか「カラオケ行く?」とか「やらないか」などの声が廊下に散漫し、ガヤガヤとうるさい。 スタスタと廊下を通り抜けると渡り廊下についた。 ここまでくるとうるさい声も聞こえなくなる。 風もさわやかで気持ちいい。 ん?あれは・・・? 渡り廊下を歩いていると対面から見慣れない制服の女の子が歩いてくる。 その黒髪は長く、風にたなびく様は一瞬見とれてしまうほど綺麗だった。 転校生かな? チラチラ見ていると急に女の子が段差につまづき倒れた。 それはもうビターンと効果音をつけてもいいくらいに。 呆気にとられていると、起き上がった女の子と目があった。 「だ、大丈夫ですか?」 思わず言葉が出てしまう。 「はい、ありがとうございます」女の子は顔を赤らめながらそっけなく答えると、スタスタと入ってしまった。 絶対痛かっただろうな・・・。 保健室の場所でも教えればよかったかな?
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