第一夜:Opening

11/12
前へ
/36ページ
次へ
「お前、任務を言い渡されたらめっちゃうれしいやろ」 ポツリとそういうレイリー。 うれしい?? まぁ、自分では分からないが、多分オレは嬉しいだろうな。 任務はオレの唯一の仕事だから。 室長に命令された任務ならば何でもするし、命だってかけられる。 唯一、オレのような人間を認めてくれた場所がこの施設だけだから。 「それよりもよー………… 頼んどいたあれの修理終わってるか??」 冊子を読みながらレイリーにたずねる。 レイリーはオレの言葉を聞いた後、思い出したように頷き笑顔を見せる。 「あぁ、完璧やで。一応メンテナンスもしといたで。」 「おぉ、サンキュー」 「まかせときぃ。じゃなきゃ何年も相棒つとめとらんて」 笑いながらそういうレイリーは得意そうに自分の胸を叩いた。 「じゃあ、オレは部屋に戻るとするか…… 出発早いしな」 「せやな………… 僕もそろそろ仕事せなあかんからな」 はぁと溜息をつきながらレイリーはオレに別れを告げると、重いあしどりで仕事場に向かった。 おれもそんなレイリーを見送ったあと、冊子を片手で持ち続きを読みながら自室に戻ることにした。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加