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『私の朝は一杯のコーヒーから始まる』
と、よく自分を紳士と名乗る奴らが言っていたが
オレ、スコール・レンロフはそんな洒落た朝を迎えることはない。
オレの朝は―……
「スコール!!いつまで寝とるんよ!?
朝やでー!!」
と言うふうに、けたたましい目覚ましがわりの男の大声によって起こされて始まる。
オレは眠い目を擦り、だるい体を無理矢理起こすと体を伸ばした。
すくなくとも爽やかではない朝だ……。
「スコール!!起きとるかー。」
相変わらずオレの部屋のドアをドンドン叩きながら男はオレに呼びかける。
オレはベッドに腰掛けたままドアの向こうにいる男に返事をした。
「おきてるよ………
鍵あいてるから入ってくれば?」
ドアをノックする音が止まると同時にドアが開いた。
ドアの向こうから姿を現したのは白衣をだらし無く着た、男だった。
「おはよーさん♪」
脳天気に挨拶をしてきたこいつの名前はレイリー・アース。
金髪と白衣が特徴で見た目通りの脳天気野郎。
同い年だからか、オレより身長が低いことを気にしているみたいだ。
ちなみに甘党でいつも棒つきアメをなめていたりする。
まぁ、小さい頃から一緒にいるよき相棒だ。
「お目覚めいかが?相変わらず素敵な白髪やな」
そういってレイリーは意地悪そうに笑った。朝から人を叩き起こしておいてこの一言は少々オレをイラッとさせるが、オレは大人(自称)なので我慢した。
「嫌みを言いに来たのか??ちび助。
オレがこの髪がどれだけ嫌いかお前は知ってるだろ??」
オレも負けじと勝ち誇った笑みでレイリーにダメージをあたえた。
「む、ちび助っていうなや;;
お前が少し大きいだけや;;」
「はいはい」
オレは軽くため息をつく。
「ところで用件はなんだ?
朝から人を叩き起こしておいてなんか用があるんだろ??」
「あぁ、室長はんが朝飯食ったら室長室にこいってさ。
僕も朝飯まだやからよかったら一緒にどう??」
レイリーはまたにこっと笑った。
「あぁ、そうだな」
オレは立ち上がると少し体を伸ばした後、レイリーと共に部屋を出た。
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