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アスカはベッドに潜った後も,しばらくブツブツ独り言を漏らしていたが,一刻も経たないうちに寝息をたてている。
ベッドのすぐ側,机の脇に置かれたごみ箱の近くには紙切れが落ちていた。
どうやら寝息をたてている部屋の主人が先程『ぶち込み』そこねたものらしい。
ソレは,窓から入ってくる月明かりに照らされ,書いた本人が寝静まった今のうちに主張しているかのようだ。
その切れ端からは,以前と比べると随分と上達した日本語の文字が見えた。
『…あんたの事がずっと…』
寝返りをうって,窓の方を向いたアスカの寝顔と,メモ用紙の切れ端は,月明かりに照らされ輝いて見えた。
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