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主人公は試練を諦め、村へと戻った   「なんで諦めたのだ?」   試練の情報をくれた村長が主人公に問い掛けてきた 「俺は俺の力で進んで行きたいんだ」   「なにそれ?言い訳でしょ?試練に挑むのが怖くなったんでしょ?」 村長の息子が割って入ってくる 「…そう取られても仕方ないと思う。でも、もう決めたんだ」 「そんなんじゃ魔王にやられるぞ!マチコは…妹はどうなるんだよ!」 部屋の隅にはベッドに横たわる女の子がいる この女の子は魔王に呪いをかけられてしまい、ずっと眠っているという説明があった 「…今の俺にはこんな事しか出来ないけど…」 主人公はそう言うと、女の子に手をかざす 主人公の手が淡く輝きだす すると女の子が目を覚まし、起き上がった 主人公は微笑みを浮かべると、その場を去っていった 「これは…まさしく奇跡じゃ…!彼は勇者じゃ!」 村長が涙を流し、主人公の背中を見送る 男は本を閉じた   本当にそのまま掲載されていたことが確認出来た   男はその場で携帯を取り出し、とある掲示板型のサイトへと飛んだ   予想通り、そこには自分のことが書かれていた   『何あの斬新な展開?』   『人気無いから路線変更?』 『破天荒過ぎるだろ』   不評とはいえ、やはり話題になるものだと男は思った
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