カウントダウン

3/3
前へ
/24ページ
次へ
男がペンを手にとってから、ラスト5話を描きあげるのに時間はかからなかった 原稿を小島に見せると、小島は二つ返事でこれを受け取った きっと内容など気にもしていないだろう 男の仕事はこれで終わった 少なくとも男自身はそう思っていた 数日後 立ち寄ったコンビニに自分の作品が載っている雑誌の新刊が出ているのを見つけた 男は手に取り、その場でページを捲る 見慣れた絵を見かけ、そこで手を止める 主人公がとある村にたどり着いた所から始まっていた 村長に【伝説の力】の話を聞く それを得るためには命を賭けて【七つの試練】を受けなければならない まさかこの後、たった5話でケリが着くとは誰も思っていないだろう 何せ作者自身もこれを描いてる時はそう思っていなかったのだから 男は本を閉じ、パンを二つ買い、店を出た     目の前には大型ビルに取り付けられたスクリーンがあった   男はしばらくそれを眺めていたが、あのグラビアアイドルは結局出て来なかった
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

156人が本棚に入れています
本棚に追加