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(しかし…そう言ってみたは良いものの簡単じゃないな。)
…そのグループのことはよく知られていた。金の為ならターゲットを死ぬまで追い込み、これまで数限りないほどの人が犠牲になっている。むろん狙われたら最後、自分の力だけで助かる方法はない。
だが腐りきった奴らを掃除するのが役目であり、自らの生き方と考えるバロにとっては目の前で怒りと恐怖に震えている依頼者を見捨てるわけにはいかないのである。
「そういえば…まだお名前を伺っておりませんでしたね。」
「あぁ…申し遅れました、私はケレム・エディンといいます。歳は42で妻と二人の子供がおります。」
このケレムと名乗った男は財布から名刺を取り出し、バロに渡した。
(板金・塗装請け負い会社社長…ケレム・エディン。以前の肩書のところを消して使っているのか。)
「それで…いつ動いてくれるんでしょうか?」
ケレムは言いにくそうに聞いてきた。
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