プロバイダー

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きっとこの『発信』のいちスタイルはヒナの手によってでしか確立し得ない。あくまで俺個人の率直な感想なんだけど。 ……でも、彼以外のひとりの人間――例えば俺や他のメンバーたち――がどう足掻こうと彼の書く『言葉』、彼が行う『伝達』や『発信』には到底敵わない気がする、これはズバリ本音。 ただ、嬉しい。…こんなにも『表すこと』だけに固執する不器用で要領の悪い可愛いヒナが、幾多の中から自分より何倍も何倍も鈍臭くて更にアホな、弱い俺を選んでくれたのが、ね。 「侯、」 ほら、やさしいあまい声が俺を呼ぶ、呼んでくれるから。 (……ありがとう、) (確率論の中で出会ったアンタらに、) (無限大の感謝と無限大の愛を『伝えよう』)
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