13年後のクレヨンしんちゃん

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かしゃん という、なにかがたおれる音がして、僕は目を開けた。 電灯がぽつりぽつりとついた、暗い道の真ん中で、 見なれた自転車が横になっている。 のろのろと首を上げると、しんちゃんの前髪が顔に当たった。 道のはじっこのカベに、 もたれかかるようにしてしゃがみ込むしんちゃん。 その体はひっきりなしにふるえていて、 とても寒そうだった。 僕を抱きしめたまま、動こうとしないしんちゃん。 しんちゃんに抱きしめられたまま、動くことができない僕。 ああだれか僕の代わりに、しんちゃんを抱きしめてあげて。  
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