13年後のクレヨンしんちゃん

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ひまわりちゃんは、悲しそうな顔になって、 僕の目の前にごはんを置いた。 そして、両手でわしわしと僕の顔をかきまわす。 ちょっと苦しい。 「お腹減ったら、食べればいいよ。」 おしまいにむぎゅうっと抱きしめられてから、そう言われた。 ひまわりちゃんは立ち上がると、 段々になったスカートをくるりと回して、 そばにあったカバンを持つ。 学校に行くんだ。 いってらっしゃいと言おうとしたけれど、 やっぱり言う気になれなくて。 僕はぺたんとねころんだ。 へいの向こうにひまわりちゃんが消えていく。 顔の前に置かれたおちゃわんを、 僕は鼻先ではじに寄せた。 お腹は、ぜんぜん空いていない。  
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