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「え?あれからすぐに帰った?」翌日の昼休み、実咲は美愛に尋ねた。
「うん…」美愛は実咲の迫力に圧倒されている。
「どうして?だって久しぶりに会ったんでしょ?」実咲は更に美愛に問い続ける。
「まぁ…」
「まぁって…直接会うなんて、滅多にないことだよ?そのままもう一軒とか、選択肢はなかったわけ?」
「うん…」
「あ、それとも次会う約束でも取りつけた?」
「いや、それも…」美愛は、実咲の迫力に圧倒されて、いつの間にか俯いていた。それを見た実咲は一つ溜息をついて続けた。
「ホント、しょうがないなぁ。美愛じゃなかったら、もう私二、三発殴ってるところだよ。」そう言って笑った。「でも、今晩にでもメールして、どっか誘ってみなよ。」
「え?」唐突な提案に、美愛は驚いた。「今晩って…」
「大丈夫、昨日の今日なら間に合うって。一歩踏み出すなら今しかないよ。あ、もうこんな時間。仕事しないとまた怒られちゃう。」そう言って去っていく実咲の後ろ姿を見ながら、本当に今晩メールをしなければならないような気がしてきたのだった。
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