第一章 懐かしき人

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  「……影宮」 討魔は弁当箱を片付けている影宮に話しかけた。 「なに?」 「何故わざわざ弁当を二つも持ってきていたんだ?」 影宮が弁当二つ分も食べれるとは考えにくいと思った討魔は、何の気なしにそう聞いた。 「えっ!?い、いや……えっと…その……」 影宮が慌てている理由が分からず、討魔は首を傾げた。すると、藍川と一茶がふらふら~っとやって来た。 「ほーのーかちゃーん。わざわざ進藤君の為に弁当を作ってくるなんて、中々やるね」 一部始終を目撃していた藍川に言われ、影宮は顔を真っ赤にした。 「ちょ…違っ」 「そうなのか影宮?それはすまなかったな」 「だ、だから…」 弁解しようとした影宮だが、一茶に阻まれてしまった。
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