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「さっさとここから消えろ。オメェを見てると殺してやりたくなる」
悪魔が取り憑いたままの司には殺戮衝動が残っている。
それを分かっている討魔は、ここに来る前から言おうと決めていた言葉を口にする。
「神崎。オレのことは一生恨んでくれていい。だが、いつか必ずお前の体から悪魔を祓う」
だから、と討魔は司と目を合わさず、背を向けたまま言う。
「その時が来たら、今度はチカラもログも無しで、気が済むまでケンカをしよう」
それだけ言った討魔は部屋から出ていった。
「気が済むまでケンカをしよう…か。それができりゃ、こんなことにはなんねぇっつーの。ハハ……ハハハハッ」
司は、あの時の狂ったような笑いではなく、嬉しそうに、けどどこか悲しげに笑い続けた。
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