第十一章 その後の出来事

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部屋から出た討魔と影宮はそのままオーランドから神器とログを受け取り、ロンドン塔を出た。 「討魔、大丈夫?」 ディズの名前を聞いて、復讐に身を投じた討魔が冷静のままでいられるはずがない。 そう思った影宮は彼の背中を見ながら尋ねた。 「利用されたんだ」 ボソッ、と討魔は影宮の問いに答えずに呟いた。 「悪魔の契約書はディズが盗んだんだ。そしてそれを神崎に渡し、オレと殺し合うように仕向けたんだ」 つまり、ディズは『操り人形(マリオネット)』で天崎栄助を操って地下の鍵を外し、悪魔の契約書を奪取。 そして司に、悪魔が人間に取り憑く時に使用する共通技『悪魔の囁(ササヤ)き』を使って司を復讐の道へ引きずり込んだ。 司と討魔は、ディズが作ったシナリオの中で踊らされていたのだ。 「神崎は、曲がったことが嫌いで、自分の心に嘘を吐けない奴だった。そこをディズに……利用されたんだ」 爪が掌を裂くほど力強く握り締めた討魔の手から血が垂れてきた。 「絶対に許さない。玲奈の時だけでなく、神崎も巻き込んだディズ・エルナマスを……塵も灰も、一つ残さず焼き殺してやる」 そう心に誓いを立てた討魔は、静かにその場を去っていった。
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