1842人が本棚に入れています
本棚に追加
家を出ると、天崎家の近くにある電柱の下に影宮はいた。
「意外と早かったわね。もう少しゆっくりしててもよかったのに」
討魔が出てきたのを確認した影宮はそう言いながら肩を竦(スク)めた。
「そう言っておきながら、お前の顔には『早く玲奈の話を聞きたい』としっかり書いてあるぞ」
「えっ!嘘!?」
「嘘だ」
さらりと、討魔はあっさり嘘を吐いていたことを自ら暴露した。
「ア、アンタねぇ……!」
文句を言おうとした影宮だったが
「早く来い。置いて行くぞ」
影宮が何かを言う前に討魔は歩き出した。
「あっ!ちょっと!待ちなさいよ!」
彼女は叫びながら、討魔の後を追った。
最初のコメントを投稿しよう!