第一章 懐かしき人

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  「ほら、お前らも席に着け」 担任に言われた二人は「ちっ」と舌打ちをして自分の席に戻った。みんなが座ったのを確認した担任は一回咳払いをした。 「えー、みんなにビッグニュースがある。今日からこのクラスに新しいメンバーが増える」 転校生だー!!とクラスの面々が色めき立つ中 (頼まれた通りみんなには言わなかったけど、さっきは危なかったわ。これは“彼”に何かしてもらわないと割りに合わないわね) 影宮は一人、みんなとは少し違う顔で笑っていた。 「何をしてもらお?ここは思い切ってデートに………うん、それがいいわね。どこがいいかしら」 「影宮?満面の笑みでなにぶつぶつ言ってるんだ?」 担任は少し首を傾げた後 「まぁいいや。後、先に言っておくが新メンバーはみんなもよーく知ってる奴だ。さぁ、入って来い」 担任がそんなことを言うと、教室の引き戸がガラガラと音を立てて開かれた。
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