漆黒の祓魔師Ⅲ

第一章 懐かしき人

まさか頭を下げられると思っていなかった一茶はどうしたらいいのか分からず、あたふたとしていると、藍川が割って入ってきた。

「まぁまぁ、進藤君も色々とあったんだと思うよ？急な任務で連絡できなかったとか」

ね、と藍川は討魔に確認した。

「あぁ」

「ほらね」

と一茶は藍川に促され「分かったよ」、と言った。それに満足した藍川は討魔の方に行き横に立った。

「でもね進藤君。今度穂香ちゃんを心配させるようなことをしたら…………ぶん殴るからね」

ニコッと笑顔で藍川は言うが目は全く笑っておらず、討魔を含めるクラスの全員は藍川の後ろに『般若』が見えた。

(姿を消した本当の理由を話さなくて正解だったな)

と討魔は心の中でそう思った。