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夢。私は夢と現実の区別がつかない。
だから眠っていてもそれは夢なのかなんなのか、分からない。
いま、この瞬間も夢なのか?…分からない
"目を見開けboys! 目覚めよgirls!"
あの影は誰なのか、視えない。
*
―――ハエ叩きで叩かれている。そんな気がして目を開けた。
「?!」
「終点です、お客様」
目の前には目をパチクリとさせ、私の肩をペチぺチと叩いている運転手さんがいた。ハエ叩きの犯人か…!
「え?終点…?赤珠大学…?」
「そうですよ、赤珠大学です」
飛び起きると運転手さんと頭がぶつかった。
「痛ッ」
「……ッ」
「…なんか、色々とすみません」
「…ッいえ、平気ですッ」
相当痛かったのか顔をしかめている。本当にごめんなさい。
「お客様は、赤珠大学でよろしかったのですか?」
「はい。ここで降りる予定でした」
「そうですか。気をつけていってらっしゃいませ」
「ありがとうございます。…また、会いにきます」
運転手さんの笑顔に答えるかのように、私は手で金のマークを出して駆け出した。
…私は、後払いのことなんか知らなくて、お金を払っていなかったのだ。
まあいいや。
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