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"赤珠大学"
そう書かれたプレートが神々しく張ってある。
丁度、サークルが終わる時間なのか校門には生徒がたくさん居た。
(図書館って、どこ)
広いキャンバス内をウロウロする。無駄に広くて怒りが込み上げてきた。
(帰りたい……)
思いきり石を蹴っ飛ばすと花壇の煉瓦に当たり、はねかえって、花壇の横の椅子で居眠りをしている女の人にクリーンヒットした。
(うわ…なんか今日色々とクリーンヒットしてばっか……)
女の人はパチリと目を開け、こちらをギョロッとした目で見た。
「あの…すみませんでした。まさかはねかえるとは。」
「…あ、いえ……」
怯えた目で見ると女はギョロっとした目を元の目に直した。…ただの美女だ。この人、目が悪いのかな。
「ハンカチ冷やしてきましょうか」
「あ…いえ……大丈夫です…おかまいなく」
好意を断られてしまい、どうしようかと悩む。うーん…
「…あの、図書館ってどこにあるか分かります?」
「図書館…ですか?」
「はい。初めてきたもので迷ってしまいまして」
彼女の顔が一瞬、暗くなった。
「…あの?」
「あ…すみません図書館でしたね。こちらです」
なんか悪いこと言ったっけ?
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