サンクチュアリ

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窓の外はまた、木々しか見えない。 都会の人が来たら驚くんじゃないかなってほど。 窓ガラスに映る自分を見るとでっかいメヤニがついていた。…汚ッ まさかこれをつけたまま学校で一日過ごしてたのか? みんな教えてくれれば良かったのに! 巨大メヤニをとると何事もなかったかのように床に捨てた。 ―――今日、帰ってもまた同じ生活が待ってる。 それが悔しくて、とっても嫌だった。 お母さんだって、お父さんだって、お姉ちゃんだって。いつも同じことをしてる。 お姉ちゃんは男性アイドルの追っかけなんかしてるし。それって、楽しいの? テスト勉強したところで馬鹿なのは変わらないし。留年さえ免れればそれで良いし。 学校とは違う、こんなネガティブ思考。 (美樹に言ったら殴られるだろうな…) 変わりのある毎日。何か大きいことをしたい。 ただ、それだけなのに。願いは叶わない。
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