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「あっ、真幸くんじゃん!久しぶり~」
「嘘つけ、この前イギリスで会っただろ、瞬。」
「えぇそうだっけ?あちこち行ってるからわかんないや!アハハ。」
隣にいた隼兄ぃがイギリスという言葉に一瞬反応したようだったけど、すぐにお父さん達の話に交じっていく。
「そういやぁ、父さん達って昔から友達だったんだよね。」
隼兄ぃが瞬さんに質問する。
「そうだよ。で、菜奈ちゃんのお母さんと、亜紀さんにナンパしたらそのまま夫婦になってたってわけ。面白いよね。世間は狭いな。」
「おいおい、俺はまだ菜奈にそのことは話したことないんだぞ?ここでサラっと言うなよ!」
「えっ?私知ってるよ?」
「えっ!?何で知ってるんだ菜奈?お父さん一度も話したことないぞ?」
「え~、ずっと前にお酒で酔っ払って得意げに私に話してくれたじゃない!」
「えっ!?そうだっけ??」
たわいない話をしていると秘書の井上さんが「お時間です。」とお父さんに耳打ちして、お父さんを焦らす。
「しかなたいな。瞬、今日は家に帰るんだろ?」
「うん、久々の我が家だし、亜紀さんがご馳走作って待ってるからね。」
「じゃあまた後で会おう。」
「うん、じゃあね。」
二人が別れの挨拶を済ませ、離れようとした時、
「すいません、菜奈のお父さん。ちょっとだけいいですか?それと父さんも。」
と隼兄ぃが私のお父さんと瞬さんを引き留めた。
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