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「あんなことって?」
「お父さん達に婚約したってこと…」
私がお肉を食べ終えたのを見た隼兄ぃは次に白菜を私の口にほおり込む。
「別にいいじゃん、俺はあの時に言いたかったんだ。」
真剣な表情で私に話す隼兄ぃを見るともう何も言えない。
隼兄ぃ、違うんだよ。
確かにあの場所はさすがに恥ずかしかったんだけど(それに、ああいうことを言う時はよくドラマとかで見る様な感じで…って思っていた自分がいる)…それより
あそこにはあの人も一緒に居たんだよ…。
何とも言い切れない不安が私の中をよぎる。
「もう食べた?」
隼兄ぃは椎茸を掴んだまま、俯いた私を覗き込むように見る。
「うん。」
「はい、あ~ん。」
次に口に入れてくれた椎茸は少し冷めていた。
「てか菜奈、俺にもして。」
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