幼馴染み

１

人気が少なくなった校舎脇。
私は手持ち無沙汰に持っていたハンドタオルの折り目を指でなぞっていた。

私の高校の制服は割と可愛い。
どうせなら体操着じゃなくて、私が制服の時にして欲しかったのに。

目の前には前髪が長い男の子。ワイシャツの袖を乱雑に捲り、着崩しているけれど軽そうな感じはない。

授業が終わってからすぐに走ってきたのか、少し息が上がっていた。

そんな人が、わざわざ、私を。

そう思うとちょっと誇らしくもあり、嬉しくもあった。