少しだけ、時間を戻して。

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始まりは、些細な事だった。 いつものように五月蝿い校舎。 校舎の中が騒がしいはずなのに、校舎自体が騒がしいようで。 がやがや、というよりぎゃぁぎゃぁ。 五月蝿すぎる奴らに、俺は声を荒げいつものように叱り付ける。 「おまえらうるさいっ!!!」 「カイトの方がうるさいよ」 「誰のせいだ!誰のっ!!」 正座させてまた、説教。 これで今日は何回目だろう? はぁ、とため息混じり口を開く。 時間を知らせる鐘が鳴り、ようやく、昼休み。 息をついて疲れきった身体を引きずり、屋上へ向かう。 あそこは風通りも良いし。 何より、空が澄んでいる。 心落ち着く唯一の場所。 片手に弁当をぶら下げ、扉を開け放つ。
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