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すると。
ばっと走り寄ってきた。
「え!?な、なにっ!!?」
遠くに居たためわからなかったが、彼は背が高い。
すごい迫力で肩を捕まれて、俺は困惑する。
すると赤く染まった顔でぼそりと呟いたのだ。
「………秘密にしておいてはもらえぬか?」
ぱちくり。
瞬きを、数回繰り返す。
「……何で?」
「だ、だって、恥ずかしいではござらぬか…」
かぁぁ、と赤い顔がさらに赤くなる。
それが、とても可愛く思えて。
ぷ、と吹き出す。
「あ!」
恥ずかしかったようで俯いてしまう。
慌てて俺は手の平を見せて横に振った。
「ち、違うよっ!馬鹿にしたんじゃなくて…っ!」
まさか、男相手に〝可愛かったから〟なんて言えない。
結局黙り込んでしまう。
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