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因みに、洗面所は一階にあり、僕の部屋は二階。必然的にめんどくさい階段を降りないと辿り着くことは出来ない。
「ふわぁ~……っ」
欠伸を噛み締めながら階段を降りるといつの間にか洗面所に着いていた。
いつの間に着いたのか全く記憶にないが、まあいいや……
目を覚ます事が先と、寝ぼけて回らない頭を使い判断し、蛇口を捻って水を出す。
勢いよく流れ出る水を両手ですくい顔を洗う。
まだ春先で冷たいが、嫌とは言ってられない。冷たい水が重たい瞼を開かせてくれる一番の特効薬なんだ。
「タオル、タオル……」
近くにあったタオルを手探りで取り、顔を拭く。
そして、そのままコップに水を入れ、歯ブラシと歯みがき粉を取り歯を磨き、ついでに髪も直す。
「ふぅ……終了!」
顔を洗い、やっと目が醒めた所で、僕は居間へ向かった。
「あら。おはよう!かなちゃん」
「おはよう!母さん」
居間に行ってみると、既に母さんの姿があり、いつも通り、代わり映えのしない朝の挨拶を交わす。
僕の名前は "霧嶋 要(きりしま かなめ)"
母さんは、僕のこと"かなちゃん"って呼ぶんだけど、正直止めてほしい。
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