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「ねぇ母さん、そろそろ“かなちゃん"って呼ぶの辞めてよ」
いつまでも子どもじゃないんだから……
「なんで?“かなちゃん"は“かなちゃん"じゃない」
何度言っても呼び名を変えてくれない。
少し落ち込んでいる僕を他所に、笑顔でご飯を用意している母さん。
五分も経たないうちに、次々とテーブルの上にご飯が置かれていく。
ご飯に味噌汁、玉子焼きにサラダと、朝御飯が全てテーブルの上に置かれた。
「「いただきます」」
手と声を合わせて、母さんが用意したご飯を食べはじめた。
「ところで、かなちゃん…昨日の夜、また星を見に行ったでしょう…」
ご飯を食べている途中、母さんがイキナリそんな事を言い出してきた。
「なんで知ってるの…」
僕はよく母さんに内緒で、星を見に行く。
「何でって…ドアの閉まる音が聞こえたから、何かなって思って窓の外を見たら、かなちゃんが出て行ってるところだったから…」
「そうなんだ…」
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