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やがて夜となり、さまざまな料理が並べられ酒が用意された。
「田舎のことゆえ、大したおもてなしも出来ませぬが…」
長者さまの口上で宴がはじまる。
旅の娘は化けの皮が剥がれるのを恐れているのか料理には箸を付けるが、女達が幾ら勧めても酒は申し訳に杯に口を付けるだけ…
法師さまの話とは様子が違うので長者さまは気が気ではなかったが、やがて旅の疲れが出たのであろう。娘は座ったままでうたた寝を始めた。
法師さまの話とはちょっと違うがこれを逃せば機会はない…
長者さまは娘の様子を窺うと、次の間に控えさせてあった男達に合図を送った。
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