1話 なれなれしい男

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――――――――……… 「次、移動教室らしいよー」 「え。そうなの? 急がないと!!」 バタバタと教科書を抱えて 周りの人達が教室を出ていく。 「移動教室……。 ……そうなんだ」 クラスメイトの言葉を 偶然耳に入れたあたしは 読んでいた文庫本を パタンと閉じた。 もちろん、 しおりを挟むのを忘れずに。     「あと5分ある……」 余裕でしょ。 あたしはくいっと メガネを上げると…… ガタンと席を立った。    
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