1話 なれなれしい男

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「…………」 つかつかと早歩きで引き返し 雄司の前に立つ。 いつの間にか見上げないと いけなくなった雄司を にらみつけると―― ――…バンッ! 手に持っていた ノートと教科書類で 思い切り雄司の頭をはたいた。 「そのダサいヤツと 付き合ってたのはどこの誰?」 「ってぇ……」 「あんたこそ、 その髪型似合ってない。 高校入ったばっかで 背伸びしすぎ。」 「は……」 「ころころ女変える 最低男のくせに。 ……調子乗ってんな。」 あたしはそう言い放つと―― 雄司の前から 颯爽と立ち去った。 もう顔も見たくない。 なんで同じ高校なの? できればもう 会いたくなかったのに。 嫌い。 嫌い。 大っ嫌い。    
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