1話 なれなれしい男

8/32
前へ
/177ページ
次へ
本当に、なれなれしい男。 まぁ…… あたしにはもう 雄司のことは 関係ないことだけど。 ……ガラッ…。 「…………… 遅れてすいません。」 いつの間にか チャイムが鳴ってたみたい。 実際、 廊下が急に静かになったから そんな気がしてたんだけど。 「気をつけろよ。宮坂。 さっさと座れ。」 「はい」 あたしは空いている 後ろの席へと座った。 「……?」 ……なんだろう。 遅刻したあたしが そんなに珍しい? だって…… クラスの皆が 体を後ろに向けて あたしをじっと見つめてたから。 「授業始めるぞー。 教科書開け。」 そんな先生の言葉と共に 皆は前に向き直って 教科書を開き始めた。 ……なに? なんだったの?    
/177ページ

最初のコメントを投稿しよう!

395人が本棚に入れています
本棚に追加