1話 なれなれしい男

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――――――――……… 「おーし。 全員そろってるかー?」 時はあっという間に6限目。 この時間は総合の時間。 担任の先生が教壇に立って 1枚のプリントを配った。 その瞬間に 教室がざわざわと騒ぎだす。 あたしも そのプリントに目を通すと―― まさにあたしが遠慮したい内容。 “第26回 爽涼祭” 「……はぁ……」 あたしの口からため息が漏れる。 めんどくさい……。 「噂ではもう知ってるだろうが、 クラスの皆と親睦を深める為の 祭りだ。 新入生のお前らのための 行事だからな! 決めなきゃいけないこと、 決めてくぞー。」 そう言って 担任はチョークを持つ。 カツカツという チョークの音と同時に あたしは頬杖をついた。    
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