1話 なれなれしい男

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そう心の中でつっこむけど もちろん口には出さない。 まぁあたしには関係ないし。 あたしはプリントを ろくに読むこともなく2つに折る あたしは先生の目を 気にすることもなく 再び小説を開いた。 「じゃぁまず男子! やりたいやつ、いるかー?」 そんな先生の言葉の5秒後。 「――…はい。 俺、やる。」 1人の男子が、手を上げた。 クラス中の視線が 一気にその人に集中する。 「おっ。本当か? やってくれるか桜井!」 「どうせみんなやんねぇだろ? くじ引きとかめんどくせぇし。 それなら俺やる。」 そう言った彼に クラスの子達が かっこいい。 だの、 空気読む奴 だの、先々に口にした。 あたしは耳を働かせるだけで…… 目は活字をおったまま。 「じゃぁ頼むな桜井!」 「ただ…… ひとつ、要求したいんだけど。」 ……要求?    
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